こんにちは、KENGOです。
革ジャンが好きな方であれば、一度はこんなことを考えるのではないでしょうか?
「“いい革ジャン”って、結局なんなんだろう?」

価格なのか、ブランドなのか、革質なのか。
それとも、経年変化なのか…。
情報が増えた今だからこそ、その基準はむしろ曖昧になっているようにも感じます。
そんな中で今回、
これまでほとんどメディアに出てこなかったブランド、
“Graveyard Leather Garments(以下:GYLG)”のデザイナーさんにお話を伺う機会をいただきました。
ということで今週は、そのインタビュー内容をお届けいたします。

SNSでは、業界やユーザーに対して率直な発信をされており、気になっていた方も多いのではないでしょうか。
今回のインタビューは内容がかなり濃く、前編・後編の2週に分けてお届けします。
前編では、
・なぜ革ジャンを作り続けるのか
・今の革ジャン業界への違和感
・GYLGが考える“普通”とは何か
といったテーマを軸に、普段あまり語られることのない“デザイナーの哲学”に触れていきます。
ぜひ最後までチェックしてみてください。
GYLGとは?

ここで簡単に、GYLGというブランドについて触れておきます。
“Graveyard Leather Garments”、通称GYLG。
「質実剛健な物作り」を掲げ、レザージャケットを中心に展開する、メンズ クロージング ブランドです。
2024年頃からSNSを軸に動き始め、2025年に本格始動。
これまでに6型のレザージャケットを発表しています。
GYLG 過去の記事はこちら
>【みんなが気になっている、あのブランドについて…】

そしてGYLGを手がけているのは、
LOADEDや、Falling Raphaelといったブランドでデザイナーを務めてきたJesse・Kwon氏。
表に出ることは多くありませんが、SNSでは業界やユーザーに対して率直な言葉を投げかけています。
今回のインタビューでは、そうした言葉の背景にある考え方。
そして物作りに対するスタンスにも触れていきます。
言葉だけでは見えにくかった部分が、少しずつ輪郭を持ちはじめるはずです。
お話を伺いたいと思ったキッカケ

Jesseさんにお話しを伺いたいと思ったキッカケはいくつかあります。
ひとつは、SNSでの発信。
業界やユーザーに向けた言葉に、強く共感する部分、そして思わずドキッとさせられる瞬間があったからです。
もうひとつは、GYLGのプロダクト。
実際に拝見したことで、その背景にある考え方にすごく興味が湧きました。
そして個人的には、
アパレルに携わっていた頃に見ていた、“LOADED”というブランドの存在もあります。
そのデザイナーが、いま何を考え、何を作ろうとしているのか。
表に出ている言葉の意図や、その奥にある哲学に触れてみたい。
そう思い、今回インタビューをお願いしました。
「メディアには出ない」というスタンス

(Jesseさん:青文字)
今回お話を伺うにあたり、まず印象的だったのが、“インタビューに対するスタンス”でした。
「ファッション系のメディアに対しては、正直懐疑的なんですよね。自分には必要無いと思っているので。ただ今回は、話のディテールが通じる方とちゃんと会話できる機会だと思ったので、それは純粋に面白そうだなと思って受けました。」
かなりストレートな言葉。恐れ多い気持ちと同時に、「だからこそ今回の取材には価値がある」と感じた瞬間でもありました。
原点にある“初期衝動”

「なぜここまで革ジャンに惹かれ続けているのか?」
プロに対して、少し素朴すぎる問いかもしれません。それでも純粋な興味から、この質問を投げかけてみました。
「初期衝動が一番強いと思いますね。90年代初頭、10代の最初の頃に見た夜中のMTVとか、あの辺りが原点です。その流れでバイクにも興味を持って…、気づいたら30年近く革ジャン、特にライダースジャケットに魅了され続けています。」
そして、印象的だったのがこの表現。
「革ジャンを見ると、頭の中でRockが流れて、焼けたオイルの匂いがするような感覚があるんですよ。黒い革ジャンって、自分の中ではそういう存在なんですよね。」
この言葉を聞いたとき、“好き”というよりも、もっと無意識に根付いた感覚なのだと感じました。
ちなみに最初に買った革ジャンについても聞いてみると―
「中学生の時に古着屋で買った、白タグのショット(ワンスター)ですね。何も知らない状態で、ワンスター着てチャリンコ乗ってました(笑)」
思わず笑ってしまうエピソードですが、同時に“原点の強さ”、そしてGYLGの根源を物語っているかのような話でもありました。
革ジャン・音楽・バイクは“切り離せない”

今回の取材の中でも、僕が特に興味深かったのがこの話でした。
「僕の中では、革ジャンと音楽とバイクって全部繋がっていて。
どれか一つだけっていう感覚じゃなくて、もうワンセットなんですよね。」
さらに話を聞いていくと―
「服から“音が見える”っていう感覚があって。
例えば50年代だったらロカビリーとか、70年代だったらハードロックとか…
その時代の服には、その時代の音があると思っています。」
同じ革ジャンを見ているはずなのに、僕とはまったく違う景色が広がっている―
そんな感覚を覚えました。
「逆に、それ(音)が見えないものは、自分の中ではあまりしっくりこないですね。
クラシックすぎるものも嫌いじゃないんですけど、“音が見えない”とちょっと違うかなって。」
この“音が見える”という表現は、最初は少し抽象的にも感じたのですが、話を聞いていくうちに、すごく腑に落ちる感覚がありました。
革ジャンというアイテムの背景には、やはりカルチャーが強く結びついているんだと、改めて感じさせられます。
GYLGのものづくりの前提

続いてブランド(GYLG)の話に移るやいなや、出てきたのがこの言葉でした。
「まず、己が納得してないものは絶対に売りません。
お金を払っていただく以上、そこには責任があるので。中途半端なものは生み出せないです。」
とてもシンプルですが、重みのある言葉です。
そしてもう一つ。
「付加価値をつけるために、余計なことをしないっていうのも決めていました。」
この“余計なこと”について、さらに詳しく伺うと―
「ここ数年、鞣し方とか染め方とか、本来は当たり前の工程が“売り文句”になってきている印象があります。ああいうのを前面に打ち出すのは、ちょっと違うなと思っていて…
誇大広告にならないようにするっていうのは意識していますね。」
「作り手側の責任として、“どう見せるか”より“どう作るか”をちゃんとやるべきだと思っています。」
話を聞いていて感じたのは、“良く見せる”ことよりも、“責任をもって作る”ことに軸足があるという点でした。
業界への違和感

ここから話は、さらにもう一歩奥に踏み込んでいきます。
「例えば、タンニン鞣しの茶芯は最高で、クロム鞣しは安物みたいな風潮ありますよね。」
「あれには正直かなり違和感があります。革なんて適材適所でしかないので。
悪い革なんて、そうそう無いと思っているんですよ。」
その違和感は、素材だけでなく“見せ方”にも―
「“〇年で仕上がります”みたいなエイジングの打ち出しもはっきり言って嫌いです。
数年でコシが抜けるくらい柔らかくなって、肘が伸びて、銀面が剥げて…。
それって僕からしたら、不良品でしかないんですよ。」
ここは僕自身、少しドキッとした部分でもありました。

そして続けて―
「ヴィンテージって、数十年かけてあの表情になっているじゃないですか。それを数年で再現して、その後どうするんだろう?って思います。」
「きっとこの先10年くらいで、ボロボロに崩壊した革ジャンが出回るんだろうなと。」
話はさらに、“革そのものの本質”へ―
「革って塩分とか水分で繊維が硬くなって、最終的には崩れていくものなんですよ。
そういうところまで考えて作っているのかな?っていう疑問はありますね。」
「せっかくサスティナブルな素材なのに、短期間でダメになる作り方をしていたら意味がないんじゃないか…というのが本音です。」
その言葉の端々からは、単なる問題提起ではなく、“作り手としてどうあるべきか”という強い意思が感じられました。
GYLGが考える“普通”

ここでもJesseさんの口から、気になる言葉が出てきました。
「ウチの革ジャンで、僕が考える“普通”を一度試してみてほしい」
僕はこの“普通”という言葉が、妙に引っかかりました。
一般的に“普通”というと、平均的とか無難といったニュアンス。
しかしJesseさんの言う“普通”は、それとは少し違うように感じました。
そこで、「その“普通”とは何なのか?」を、もう一歩踏み込んで聞いてみました。
「“普通”っていうのは、お金を払う価値がある革ジャンかどうか…ですね。」
この一言を起点に、さらに話を深掘りしていきます。
「僕は80年代後半から90年代のアメリカのシボ革が好きで。
あの風合いを表現しつつも、銀面が強くて、しっかり経年変化して、長く付き合える革。
GYLGでは、そんな革を一からオリジナルで作っています。」
さらに続けて―
「もともとヴィンテージの革ジャンが好きなんですけど、正直そのままだと着にくいじゃないですか。
着丈がやたら短かったり、肩が大きかったり…。
なのでヴィンテージのあの雰囲気を残しながら、今のシルエットへと落とし込めるよう追及しています。」

その言葉からは、これまで歩んできた経験や蓄積が、そのままものづくりに結びついていることが伝わってきます。
そして最後に、この一言。
「30年後にヴィンテージになれるものづくり。
それが“普通”だと思っています。」
シンプルですが、とても強い定義だと感じました。
Jesseさんの言う“普通”とは、革ジャンの本質そのもの。
その一方で、今 その“普通”が当たり前ではなくなってきているのも事実です。
“普通”でありながら、どこか特別に感じるもの。
その感覚こそが、GYLGに惹かれる理由のひとつなのかもしれません。
GYLGの革について

ここまで“普通”という言葉を軸に話を聞いてきましたが、その“普通”を支えているのが、革そのものへのこだわりです。
実際に袖を通してみると分かるのですが、GYLGの革は、重厚感があるのに最初から驚くほど柔らかい。
この点について伺うと、こんな言葉が返ってきました。
「うちの革ジャンがどれくらい柔らかいかは、触ってもらえれば分かると思いますが、
着ていくと、オイルが抜けてハリが出てくるように仕上げているんですよ。」
「もちろんオイルを入れれば元には戻るんですけど。
そのまま着ていっても、めちゃくちゃかっこいい革になるように作っています。」
ノーメンテナンスでも成立するプロダクトは、日常着としてのリアリティを強く感じる部分でした。
また銀面についても、
一般的な革に比べると、だいぶ強く仕上げているとのこと。
短期間で大きく変化させるのではなく、長く着ることを前提にした耐久性。
前編で語られていた“業界への違和感”とも、しっかりと繋がっています。
(LOADEDで展開されていたレザージャケット)
さらに“革”について、LOADED時代との違いも伺いました。
「原皮と鞣し、染めまではローデッドの時と同じですね。
ただ仕上げは変えていて、オイルをしっかり入れて熱を加えて、あえてシボを立たせています。」
「バタフリの工程もかなり多く入れて、相当柔らかく仕上げています。」
工程もかなりの手間がかかっていることが分かります。
そして、こんな話もありました。
「ローデッドの時に作っていた革ジャンは、今も着ているんですけど。
経年変化の方向性は、今のGYLGと同じです。」
この一言で、解像度が高まりました。
つまり、すでに“時間を経た実例”が存在しているということ。
「30年後にヴィンテージになれるものづくり」
その言葉は理想ではなく、すでに積み重ねの上にあるということです。
素材の選定から設計、仕上げに至るまで―
すべてが“長く着るための前提”として組み立てられていることが伝わってきます。
だからこそ、その思想は特別なものではなく、あくまで“普通”として語られている。
その在り方自体に、GYLGの強さがあるように感じました。
まとめ

ということで今週は、『“Graveyard Leather Garments(以下:GYLG)”デザイナーさんへのインタビュー【前編】』をお届けしました。
言葉だけを切り取るとシンプルに見えるかもしれません。
しかしその1つ1つの発言の奥には、確かな経験と積み重ねがあることが伝わってきます。
特に印象的だったのは、LOADED時代からの流れが途切れることなく、そのまま今のスタンスに繋がっているという点。
自分が昔見ていたLOADEDが、時間を経て再び輪郭を持ったように感じ、個人的にはかなり胸にくるものがありました。
それと同時に、GYLGというブランドの魅力の一端にも、少し触れられたような気がします。
そして!
次回の後編では、
・ライフステージとの向き合い方
・「いい革ジャン」とは何か、etc.
さらに核心に迫るテーマについて、深く掘り下げていきます。
ぜひ次週もチェックしていただけますと幸いです。
それでは今週はこのあたりで。
最後までご覧いただきありがとうございます!
▼GYLGのオフィシャルサイトはこちら
https://gylg13.com/
▼GYLGのインスタグラムはこちら
https://www.instagram.com/gylg2025tokyo/
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