こんにちは、KENGOです。
3月に入りましたが、なかなか気温が安定しませんね。
革ジャンシーズンも残り1ヶ月ほど。
希少な期間を一緒に楽しみましょう!
さて、今週は『革ジャンの経年変化』について、哲学的というか…ちょっといつもとは違った切り口でお話ししていきたいと思います。
革ジャンの“経年変化・エイジング”。
僕たち革ジャン好きからすると、普段から何気なく使う馴染みのある言葉です。
しかし!
“経年変化”とは、そもそも何なのだろうか?
そんなことを考えた時に、以前業界の方から伺ったあるお話しを思い出しました。
そこで今回はそのお話しを共有するとともに、“経年変化の本質”について考えてみたいと思います。
ぜひ最後までチェックしてみてください!
革ジャンの経年変化
革ジャンの醍醐味と言っても過言ではない“経年変化 (エイジング)”。
要所に刻まれたシワ。
身体のラインに沿った馴染み。
着用によるキズや擦れ。
色味やツヤ感など風合いの変化。
新品時には硬かった革もクッタリと柔らかく。
革ジャンに疎い人からすると、一見“劣化”とも取れる現象…
しかし革ジャンっていうのはこれらの変化を重ねることで、購入当初よりも深みが増し、さらに格好良くなるアイテムなのです。
そしてこれらの経年変化を味わいたいがために、我々は自宅でも革ジャンを着用し、メンテナンスを行う。
この“革ジャンを育てる”という一連の行為に、僕たちは熱を注いでいるのです。
言い換えればですね、
僕たちは革ジャンというプロダクトと同じくらい…もしくはそれ以上に、“経年変化”というものに価値を感じている―と言っても過言ではないような気がします。
なぜ経年変化に惹かれるのか
ではなぜ僕たちは“革ジャンの経年変化”に、ここまで惹かれるのでしょうか?
確かに着込むほどに形状や風合いが変化していくというのは、とても魅力的なポイントだと思います。
また自分だけの一着に育てることで達成感も味わえます。
―とは言っても、革ジャン以外にも経年変化を楽しめるアイテム(素材)というのは、いくつかあるわけです。
例えばデニムなんかが最たる例。
レザー同様に、アタリや色落ちなんかも楽しめますからね。
しかしやはりそれらと比較しても、“革の経年変化”というのはやっぱり別格だと僕は感じています。
感覚的なところというか…実はもっと人間の本能的なところにその答えはあるんじゃないか?
そう思った時に、数年前に聞いたある人のお話を思い出しました。
経年変化とは
これは10年近く前、
とあるレザーブランドのデザイナーさんにお伺いしたお話です。
当時のお話しを記したものがあったので、その内容を基に転用させていただきます。
「革が朽ちるスピード」についてのお話
-中略-
最近では「革を育てる」という言葉をよく使いますよね。
実際にご自分で革製品をメンテナンスしたいという人も増えています。
この「メンテナンスして革を育てる」という行為、私はすごく興味深いと思っています。
自分も休みの日にのんびり靴にオイルなんかを塗っていると、気持ちが落ち着くんです。すっきりして小さな達成感もあります。
これはどういうことかと考えてみました。
ある時、タンニンについて調べていると、“木が朽ちていく”っていう話に繋がりました。
“朽ちる”というのは、我々でいう“死ぬ”ってこと。もっと突き詰めていくと、分子レベルに分解されるということです。
生き物の皮も放っておけば、もちろん朽ちていきます。
そしてまた木もゆっくりだけど朽ちていく。
それを食い止め、朽ちるスピードを遅くさせている力のひとつが“タンニン”なんです。
そのタンニンを引っ張り出して皮に入れる。
皮の朽ちるスピードを、木の朽ちるスピードに近づけようとしているんです。
これがいわゆる“タンニン鞣し”の考え方。
つまり“革”ってのは死んだ生き物の皮が朽ちるのを、ギリギリのところで食い止めている状態なんです。先人たちの知恵を使って。
だけどやっぱり朽ちていくことが止まることはない。スピードがゆっくりになっているだけ。
物質は何でもそう。木材だってそうです。朽ちていくことからは逃れられない。これは宇宙の決まり。
「エントロピー増大の法則」と言うらしいんですが、秩序あるものはすべて無秩序の方向に向かって行くそうです。
つまり人間がごはんを食べたり、ハンドクリームを塗ったりするのと同じこと。
革は死んでいるので自分で新陳代謝ができないから、我々人間がやってあげるんです。
だから結局革に対してオイルを塗ったりメンテナンスをして癒されるってことは、やっぱりそれが“生きる”っていうことに繋がるからだと思うんですよね。生かすってこと。
そこに快感を覚えるのは生き物として至極当然なんです、その行為自体に。
革ってのは深い。深くて近いんです。原始にも近い。
そんなことを思いながら、自分が持っている革製品を眺めて見れば、違う風に見えるかなと思うんですよね。
大事にしなきゃならないんです。
朽ちるスピードを緩めて一緒に生きてるんだから。
“革を育てるということ”は本能的な満足度を高める行為
つまり…
“革を育てるということ”は、単に視覚的な満足度を得れるだけではなく、僕たち人間としての本能的な満足度を高める行為であると説いているわけです。
(僕の解釈が誤っていたら申し訳ございません…)
どうでしょうか。
ちょっと哲学的な話のようにも感じますが、妙に説得力がありませんか?
当時僕は、この話の本質的な意味をあまりよく理解できていませんでした。
しかし今になってようやく「なるほどな…」と、深く納得できるようになったんですよね。
経年変化とは“共に成長する喜び”
このお話の中では、“メンテナンス=生かす”という解釈でした。
そこに加えて“経年変化=成長させる”という解釈もできるのかなと。
革ジャンをメンテナンスしながら育てていくこと。
つまりそれは、「革と一緒に生きる、そして一緒に成長する」ということ。
僕たちが“革ジャンの経年変化”に惹かれる本質的な要因は、もしかするとここにあるんじゃないのかな…と、僕は思いました。
まとめ
ということで今週は『革ジャンの経年変化』をテーマに、いつもとは少し違った角度から革ジャンの経年変化の魅力について考えてみました。
やっぱり革ジャンって、他の洋服にはない特別なパワーがあると思うんですよね。
単純に見た目が好きっていうのも大いにあるんですが、言葉では説明できない不思議な魅力も備わっているんじゃないかと僕は思っています。
それを巧妙に言語化されていたのが、今回ご紹介したあるデザイナーさんのお話。
僕の中で妙に腹落ちしたんですよね。
「だから何?」と言われたらそれまでなのですが……。
なんかこの内容を皆さまにも知ってほしいなと思い、今回共有させていただきました!
なんかこういう視点も持つことで、さらに革ジャンの魅力が膨らむというか…もっと革ジャンを好きになれるような気がするんですよね。
すみません!
特に結論のない話ではありましたが、皆さんのご意見など聞かせていただけると幸いです!
それでは今週はこの辺りで。
最後までご覧いただきありがとうございます!
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