こんにちは、KENです。
今回はレザー好きの皆さまが特に気になるであろう、あのテーマに迫っていきたいと思います!
ズバリ!
『タンニン鞣しの革ジャンvsクロム鞣しの革ジャン』です!
これはやっぱり気になりますよね!
レザー好き、革ジャン好きの中でも常に論争が繰り広げられている議題ではないでしょうか?
そこで今回は僕が所有している革ジャンを使って、「タンニン鞣しとクロム鞣しのカウレザーどっちが優れているのか」を比較し、検証していきたいと思います!
それぞれのメリット・デメリットも交えて解説していきますので、レザー好きの方を含め、革ジャンの購入を考えている方はぜひ最後までチェックしてみてください!
タンニン鞣しとクロム鞣しについて
まずは簡単に、タンニン鞣しのレザーとクロム鞣しのレザーついて触れていきたいと思います。
タンニン鞣しとは
タンニン鞣しとは、植物由来のタンニンを使って皮を鞣す方法のことを指します。
タンニンを“渋(しぶ)”ということから、別名 渋鞣しとも呼ばれています。
非常にコストと時間がかかる分、革が丈夫になり堅牢な仕上がりになるのが特徴です。
クロム鞣しとは
一方クロム鞣しとは、塩基性硫酸クロムを主成分とした鞣し剤を使って皮を鞣す方法のことを指します。
タンニン鞣しに比べて革を処理時間が短く、生産コストもかからないため、量産に向いていると言われています。
世の中の革製品の85%はクロムベースで製造されているようです。
タンニン鞣しとクロム鞣し どっちが良いの?
それでは本題の「タンニン鞣しの革ジャンとクロム鞣しの革ジャン、どちらが良いのか?」という疑問についてです。
今回は例として、僕が所有するこちらの2着を比較してみました。
(左:ワコマリア / 左:アンダーカバー)
左がタンニン鞣しのカウレザーを使用したレザージャケットで、右がクロム鞣しのカウレザーを使用したレザージャケットになります。
デザインやディテールは異なりますが、どちらも同じカウレザーを使用したレザージャケットで、価格帯はどちらも15万円ほどとなっています。
まず結論から言うと、どっちが勝っていてどちらが劣っているというのはありません。
そもそも何をもって“良い”とするのかは難しいところです。
仮に「製造コスト=質」と定義するのなら、タンニン鞣しの方が質(製造コスト)が高いという解釈はできるかもしれません。
しかしそれも革のほんの一面に過ぎません。
多面的に見ると、どちらにもメリット・デメリットが存在して最終的には好みの問題になってくるからです。
そこで今回は、タンニン鞣しのレザージャケットはどういう人に向いているのか?
逆にクロム鞣しのレザージャケットはどういう人に向いているのか?
を紹介していきたいと思います!
タンニン鞣しのレザージャケットの特徴
まずは、タンニン鞣しのレザージャケットのメリットとデメリットを見ていきましょう。
タンニン鞣しのレザージャケットのメリット
①革本来の風合いを楽しめる
革本来の風合いを活かしたタンニン鞣しの革を使用したレザージャケットは、革の風合いや匂いなど“革らしさ”を味わうことができます。
②経年変化をダイレクトに楽しめる
タンニン鞣し革の最大の魅力は“経年変化(エイジング)”です。
タンニン鞣しのレザージャケットは、革ジャンの醍醐味とも言える経年変化を存分に楽しむことができます!
クロム鞣しのレザーに比べ、全体的に表情も豊かで、着こむほどに腕のシワ感など味が出やすいものになります。
タンニン鞣しのレザージャケットのデメリット
①水に弱い(デリケート)
タンニン鞣しレザージャケットのデメリットは“水に弱い”という点です。
基本的に革製品というのは総じて水に弱いのですが、タンニン鞣しの革は特に水に弱く、汗や雨などの水分を吸収しやすいので変色しやすいという特性があります。
②価格が高い
タンニン鞣しレザージャケットの2つ目のデメリットは、クロム鞣しの革ジャンと比べ“価格が高い”という点です。
はじめにも記述したように、作業工程・コストがかかるためどうしても販売価格が高くなってしまいます。
しかしその分、手に入れた時の満足度も高くなるはずです!
タンニン鞣しのレザージャケットはこんな人におすすめ
着心地や実用性は二の次で、“とにかく経年変化を楽しみたい”という方にはタンニン鞣しの革ジャンがおすすめです!
またファッションのテイストで言えば、キレイめなスタイルよりも、どちらかと言えばカジュアルなスタイルが好きと言う人の方が合わせやすいと思います!
クロム鞣しのレザージャケットの特徴
続いては、クロム鞣しのレザージャケットのメリットとデメリットを紹介していきます。
クロム鞣しのレザージャケットのメリット
①柔らかく着心地が良い
クロム鞣しは柔軟性のある革に仕上がるため、レザージャケットとしては“着心地が良い”というメリットがあります。
もちろん革の種類や厚みなどで左右しますが、堅牢なタンニン鞣しの革に比べると少ないストレスで着用できると思います。
②お手入れが簡単
タンニン鞣しの革に比べ耐水性・耐熱性があるため、比較的“お手入れが楽”というメリットがあります。
あくまで撥水効果があるわけではないので、もちろんクロム鞣しであっても水に濡れてしまった場合は適切なお手入れが必要です。
クロム鞣しのレザージャケットのデメリット
①経年変化が出にくい
タンニン鞣しのレザージャケットに比べて、“経年変化が現れにくい”という特性があります。
やはりレザージャケットに関しては、経年変化を楽しみたいという方が多いのでデメリットとしてあげています。
しかし逆に言えば、バッグやサイフなどきれいな状態をキープしたいという製品に関してはクロム鞣しのレザーの方が良いと言えるでしょう。
②革が安っぽく見える
クロム鞣しのレザージャケットといってもピンキリなのですが、比較的安価に作れるクロム鞣しのレザージャケットは、物によっては革の風合いが損なわれており、極端に言えば“合皮っぽく見えてしまう”ものもあります。
現物を見ずにネットで購入する場合は特に注意が必要です。
クロム鞣しのレザージャケットはこんな人におすすめ
“頻繁にお手入れするのが面倒くさい、あまり気にせずガンガン着たい”という人にはクロム鞣しレザージャケットがおすすめです。
また綺麗な状態が維持できるので、スラックスに合わせたりとキレイめのスタイリングが好きな人にも合わせやすいかもしれません。
まとめ
というわけで今回は『タンニン鞣しの革ジャンvsクロム鞣しの革ジャン』と題して、それぞれの特徴やメリット・デメリットを比較してみました!
はじめにもお伝えした通り、どっちが勝っていてどちらが劣っているというのはありません。
それぞれの特性を理解した上で、ご自身のライフスタイルやファッションの好みなどに合わせて、ご自分に向いている方を選んであげるといいかと思います。
ちなみに個人的な好みでいうと、僕はタンニン鞣しのレザージャケットが好きです!
やっぱりタンニン鞣し特有のシワの入り方といったら絶品ですからねー。
もちろん“鞣し”というのは革の風合いを決める1つの工程に過ぎません。
原皮、革の種類、厚み、染色方法など…
様々な要因が加わって1つの革が作り上げられます!
単純に“鞣し”方法だけでは決まらないっていうのも革ジャンの奥深さではないでしょうか。
いやー、レザーって面白いですよね!
また今回は触れませんでしたが、タンニン鞣しとクロム鞣しの良い所どり“コンビ鞣し”と言われる鞣し方法もあります!
これについてはまた別の機会でご紹介したいと思います!
それでは本日はこの辺りで。
最後までご覧いただきありがとうございます!
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