こんにちは、KENです。
あっという間に革ジャンのシーズンが過ぎ去ってしまいましたね…。
これからしばらくは自宅で革ジャンのエイジングに励みたいと思います。
さて!
今回のテーマは『馬革(ホースレザー/ホースハイド)の革ジャン』です。
(※以下ホースレザーで統一)
ご存知の通り、革ジャンに使用されている革の種類というのは様々。
スタンダードなところで言うと、牛革、馬革、羊革、山羊革、鹿革などが挙げられます。
しかし一口に“ホースレザーの革ジャン”と言っても、その雰囲気や風合いはブランドによって多種多様です。
そこで今回は、僕が所有する4つのホースレザー革ジャンを比較して、その違いを見ていきたいと思います!
ホースレザーの魅力をはじめ、どんなホースレザーの革ジャンがおすすめなのか?もご紹介していきます。
きっと「同じホースレザーでもこんなに違うのか!」と驚く人も多いと思いますよ。
ぜひ最後までチェックしていただけると嬉しいです!
馬革について
まずは簡単に“馬革”の特徴について見ていきます。
馬革は、毛穴が少なくきめ細かいなめならかな銀面(革の表面)を持つ革素材です。
余分な脂肪が少ないので皮が薄く軽くて柔らかい上に、強度は高いという特徴も備えています。
しかしその反面、運動量が多い動物ということもあり、原皮の段階でキズが多いという特性も挙げられます。
ちなみに同じ馬革でも、馬の尻の部分を使用した「コードバン」は“革のダイヤモンド”と呼ばれるほどの高級素材。
繊維が緻密で非常に強靭な革素材として、財布やシューズ類に使用されています。
基本的にはレザーウェアで使用されることは少ないので、今回は割愛させていただきます。
馬革のレザージャケットの魅力
“馬革”を使用したレザージャケットの魅力とは一体どこにあるのでしょうか。
僕自身、ここ最近立て続けにホースレザーの革ジャンを買っており、めっきり馬革にハマっております。
そんな僕が肌で感じる、馬革のレザージャケットの魅力はなんと言っても“経年変化”です。
もちろん鞣し方や加工によって変わってはきますが、同じ工程であれば他の革よりもよりエイジングを楽しめる革だと思います。
シワの入り方や表情の変化に関しては、他の革に比べても随一ではないでしょうか。
また馬革ならではの、力強く革らしい風合いもその魅力の1つとして挙げられます。
これらの特性もあって、「馬革仕立ての革ジャンが一番好き」という方も多いのではないでしょうか。
馬革のレザージャケットを比べてみた
さて、ここからが本題です。
今回は僕が所有していたことのある、以下の4つの馬革のレザージャケットで比較していきたいと思います。
①アディクトクローズ
②ジェームスグロース
③イアデレザー
④ストラム
「馬革を使った革ジャンならどれも同じでしょ」と思っている方!
…全っ然違うんですよ!
それでは1つずつ見ていってみましょう!
アディクトクローズ
まずは“アディクトクローズ”の馬革を使用したライダースジャケット(AD-03/HORSE)。
・染色:芯通し
・厚み:1.3mm
印象としては、“程よいコシとしなやかさを兼ね備えた”ホースレザー。
きめ細やかで程よいツヤ感もあり、もっちりとした質感です。
革特有の匂いや革鳴き(革のキシキシという音)もするので、“革らしさ”も十分に堪能できます。
“革らしさ”と“着やすさ”を両立しており、個人的には今回ご紹介する馬革の中でも一番バランスの良いホースレザーかなと思っています。
かなり質の高い革を使用しているなという印象です。
ジェームスグロース
続いてはジェームスグロースの馬革を使用したライダースジャケット(ニューマニラ/ホース)。
・染色:芯通し
・厚み:1.0mmくらい
・その他:オイルレザー
“しっとりとしていて非常に柔らかい”オイル加工のホースレザー。
例えるなら、(伝わるかわからないですけど)粘土のようなしっとりとしたタッチ感に仕上がっています。
マットな質感で落ち着いた雰囲気があり、一番上品な印象があるホースレザーです。
オイルレザーとは、なめした後にオイルを染み込ませた革の総称。
しっとりした手ざわりが特徴で、使い始めはマットな質感。
通常の革よりも経年変化が早く、中でもタンニン鞣しのオイルレザーは経年による色変化がしやすいと言われています。
度々僕のブログでも登場する、こちらの思い出深い革ジャン。
(人生初めての10万円オーバーの革ジャン)
この革ジャンの質感にすごく似ているんですよね。
当時「おぉ、やっぱ10万円を超える革ジャンは違うなー」と感じたことを鮮明に覚えています。
僕にとって“良い革”と呼べるベースになった革でもあり、革ジャンが好きになったルーツとも言えるホースレザーです。
イアデレザー
3つ目は昨年オーダーした、イアデーレザーの馬革のライダースジャケット。
・染色:顔料染め(茶芯)
・厚み:1.3mm
・その他:茶芯レザー
1.3mm厚とかなり肉厚なレザーとなっており、非常に重厚感のある一着です。
顔料染めのため革の風合いは控えめで、顔料特有のツヤ感があります。
ただ、今回紹介する中では唯一“茶芯レザー”仕様のホースレザーなので、新通しにはないワイルドな経年変化を楽しめます。
腕のシワなど、やはり厚手の革ならではの経年変化はありますね。
まだまだ着用年数が浅いですが、ポテンシャルを秘めた一着です。
ストラム
最後は、ストラムの馬革を使用したライダースジャケット。
(こちらは最近ストラムさんよりお借りしたサンプル品になります。)
・染色:芯通し
・厚み:1.0mm
・その他:シュリンクレザー
他の3型とは、明らかに風合いの異なるホースレザーです。
あえて傷の多い馬革にシュリンク加工を施しており、凹凸感のある立体的な表情が印象的です。
革はそこまで分厚くありませんが、密度がギュッと詰まっており、ハリが強くパリッとしたタッチ感。
力強く骨っぽい風合いですよね。
おそらく着こむことで、革がくったりとし良い風合いに変化するかと思われます。
一般的なホースレザーの印象を、いい意味で覆すような独特の風合いです。
結局どのホースレザーがおすすめ?
風合いの異なる4つの馬革のレザージャケットを紹介しましたが、結局のところ「どのホースレザーが良い」のでしょうか。
結論から言うと、これはお好みで選んであげるべきだと思います。
例えば今回ご紹介した4つの馬革でいえば、どれも品質が高く、おそらく“革のランク”で見てもそこまで大差がない素材だと思います。
そうなってくると後は好みの問題。
好きなスタイリングやライフスタイルなど、自分のイメージに合った革を選んであげのがベストだと考えています。
革を選ぶポイントとしては、大きく分けると以下の3つ。
・経年変化
・着やすさ
このあたりについては、また別の機会に詳しくご紹介したいと思います。
ちなみに僕個人的な好みで言うと、やはりジェームスグロースのオイルホースが好きなんですよねー。
まとめ
ということで今回は、『馬革(ホースレザー/ホースハイド)の革ジャン』をテーマに、僕が所有するホースレザー革ジャン4つを比較して、その違いを見ていきたました。
こうやって比較すると一口にホースレザーと言えども、鞣しや加工などの製造過程、革の厚み等によって、その風合いは全く異なりますよね。
“革”単体で見てもその違いは明確ですが、革ジャンという製品になることで更に雰囲気が変わりその違いを楽しめます。
だから革ジャンってやめられないんですよね(笑)
今回ご紹介したホースレザーの革ジャンはどれも購入してから日が浅く、まだまだ育て甲斐のある革ジャン達です。
今後の経年変化した様子もご報告できればと思いますので、是非よろしくお願いします!
それでは本日はこのあたりで。
最後までご覧いただきありがとうございます!
↓革ジャン好きの“輪”を広げるプロジェクト↓
> 「NO “KAWAJAN” NO LIFE」の詳細ページへ
↓革ジャンに関するご相談はこちらからどうぞ↓
↓革ジャン愛好家たちの画像を集めたライブラリー↓
コメント
ホースハイドを比べてみたという記事で
アディクトクローズのad03がタンニンなめしとして紹介されていますが、一応コンビなめしが正しいみたいです。
コメントありがとうございます!
アディクトクローズのホースについて調べたところ、おっしゃる通り確かにコンビ鞣しとのことでした。
ご指摘ありがとうございました!
今回紹介していただいたホースハイドで柔らかさや軽さの順で言うとどうなるのでしょうか?
柔らかさは着こんでいけば大差ないのでしょうか。
シープから移行を考えており参考にさせていただければ嬉しいです。
んじゃめな様
コメントありがとうございます。
ご紹介した4つのブランドのホースレザーの柔らかさについてですが、
柔らかい順に…
①ジェームスグロース
②アディクトクローズ
③ストラム
④イアデレザー
といった順になるかと思います。
おそらく着こむことで②と③」の順位は入れ替わるかなと思います。
(ストラムの方が革の厚みがうすいため)
また重量感に関しては、軽い順に…
①ジェームスグロース
②ストラム
③アディクトクローズ
④イアデレザー
といった体感です。
どのブランドも非常に魅力的ですが、
シープからの移行であれば、個人的には「ジェームスグロース」のホースがおすすめかなと思います。
ご参考になれば幸いです。
これからもよろしくお願いいたします!