こんにちは、KENGOです。
以前アップした記事『革ジャンの歴史を学ぼう-イギリス編-』。
革ジャンと関連性の高い、1950年代ごろのロンドンのファッションカルチャーを紹介したのですが、こちらが思った以上にご好評をいただきました!
そんなわけで今週は『革ジャンの歴史を学ぼう 第2弾』をお届けしたいと思います。
今週ピックアップするのは、ライダースジャケットの“起源”。
現代のライダースジャケットが誕生した背景について調べていきます!
革ジャンが好きな人にとって興味深い内容がたくさん詰まっていると思います。
ぜひ最後までチェックしていただけると嬉しいです!
ライダースジャケットの起源
我々が愛してやまない革ジャン。
その中でもっともポピュラーなアイテムとも呼べるのが、“ライダースジャケット”ではないでしょうか。
今回はこの“ライダースジャケット”の起源について見ていきたいと思います。
皆さんご存知、“ライダースジャケット”とは、バイクに乗るライダーが着用していたことからそう呼ばれるようになりました。
別名“バイカージャケット”とも呼ばれています。
ではライダー達はいつから、レザーのジャケットを着用するようになったのでしょうか。
いろいろ調べていく中で、一番有力とされている説を見つけました。
1900年代初頭に、ダブルブレストのロングレザーコートが広まっていたそうです。
このレザーコートをバイクに乗る時の姿勢に合わせ、ショート丈に改良されたものが“ライダースジャケット”であるという説です。
これがライダースジャケットの起源だと言われています。
しかしこれはあくまでバイクに乗る際に着用されていた、実用品(いわゆる強い風に耐え、転倒時に身を守るための防護服)としてのライダースジャケットの起源なのです。
実は現代のように、「ライダースジャケットが街着として着用されることになった“起源”は別にある」と言われています。
街着としてのライダースジャケット
現代のように、街着としてライダースジャケットが着用されるようになった“起源”。
それは元を辿ると、第一次世界大戦後期にドイツ軍が着用していた“パイロット用アウター”だと言われています。
あまり繋がりが見えてこないですよね…
順を追って説明していきます。
1910年代後半。
当時の航空機というのは、操縦席に風防ガラスが1枚あるのみで風が容赦なく吹き込んでくる構造でした。
その中で目を付けられたのが“レザー(革)”素材。
レザーは風を通さない上、丈夫で堅牢性が高いという特性を備えています。
そのため、パイロット用のジャケットの素材として最適であると取り入れられたのです。
その後、各国の軍がレザーの持つ耐久性や防寒性などに目をつけ、レザー製のフライトジャケットが一気に世界に広がったそうです。
現代でも馴染み深いフライトジャケットの1つとして知られる“A-2”。
“A-2 フライトジャケット”もここから派生し、1930年頃のアメリカで誕生しました。
(※厳密にはA-2の前身であるA-1が先に誕生しています)
そしてこの“A-2 フライトジャケット”こそが、現代のライダースジャケットに結びついているという説があるのです。
ちなみにこれは余談ですが、現代でもアメジャンブランドの代表格として人気の“Schott (ショット)”。
ショットはこの当時、アメリカ軍のフライトジャケットを製造していたレザーウェアメーカーの1つだったそうです。
フライトジャケットからライダースジャケットに…
時は流れ1945年。第二次世界大戦が終結した頃です。
A-2を着て戦ったアメリカ軍の若い兵隊は、終戦すると故郷に帰還しました。
しかし帰還兵の一部は、それまでの死線をさまよった戦争中生活と、平和な世界を築こうとする戦後社会のギャップに苦しみ、どうしても馴染めずにいたそうです。
そんな中カリフォルニアの若者は、爆撃機の代わりに大型バイクにまたがり、爆音を撒き散らしながら街を走り回るようになったそうです。
そしてその時彼らが着用していたジャケットこそが“レザーライダースジャケット”だったのです。
ライダースジャケットを着用していたのは、軍服であるA-2フライトジャケットに見立てたと言われています。
そしてここが重要なポイント!
彼らがそれまでの一般的なバイク乗りと違っていたのは、“バイクに乗るときだけではなく、日常的にライダースを着用したこと”でした。
彼らが普段からライダースジャケットを愛用の理由は、“ライダースジャケットが悪そうでかっこよかったから”。
当時、ダブルの黒いレザージャケットは、ナチスのゲシュタポが着ていたロングレザーコートを彷彿とさせるものでした。
つまりライダースジャケットは、悪を象徴するイメージが強く周囲を威嚇するようなイカツさを増幅させるための恰好のアイテムだったわけです。
そしてこうしたバイカーズの荒々しい姿を描いたのが、1953年に公開されたマーロン・ブランド主演のアメリカ映画【乱暴者(あばれもの)/ 邦題:ザ・ワイルド・ワン】です。
そしてそこからはロンドンの若者“ロッカーズ”に繋がっていくというわけですね。
それは前回の記事でも書いた内容になります。
>>【革ジャン史を学ぼう】イギリスのファッションカルチャーについて調べてみた
まとめ
ということで今週は『革ジャンの歴史を学ぼう 第2弾』として、“ライダースジャケットの起源”について見ていきました。
今回の内容をまとめるとこんな感じ。
ドイツ軍の戦闘機のパイロットアウターでレザージャケットが採用
↓(各国のフライトジャケットに“レザー”が取り入れられる)
・1930年頃
アメリカ軍でA-2フライトジャケットが誕生
↓
・1945年頃
カリフォルニアの若者(バイカーズ)がライダースを日常的に着る
現代のように街着としてライダースジャケットが着用されるようになった背景はこのような歴史的背景があったわけですね。
いやぁ、、、今回も僕自身がめちゃくちゃ勉強になりました。
前回のイギリス編でもそうでしたが、ファッションの歴史って常にその時代の背景や思想などが投影されているのだなと知りました。
そして僕たちの愛する革ジャンもしかり。
“革ジャンの起源”にもいくつかの説があるので、今回ご紹介した内容が正しいとは限りません。
ただ僕たちが着ている革ジャン(ライダースジャケット)にも、こういった歴史的な背景が隠れていることには間違いありません。
そう思うだけでさらに革ジャンのことが好きになれる気がしませんか。
いやー深い!
それでは本日はこのあたりで。
最後までご覧いただきありがとうございます!
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