こんにちは、KENGOです。
先日RIZINの試合映像を見ていると、ケイト・ロータス選手のメインスポンサーに“ザ・フラッドヘッド”のロゴが…
気になって調べてみると、ザ・フラッドヘッドはケイト・ロータス選手とスポンサー契約をしているんですね。
特設ページもありケイト・ロータス選手がモデルも務めていました。
革ジャン姿…ちょっとキュンとなります。
さて、今週は『革ジャンに関する豆知識』をご紹介していきたいと思います。
革ジャン好きであれば誰でも知っているだろうウンチクや、革業界の昨今の事情など。
ついつい明日誰かに話たくなるような、革ジャン豆知識を6つご紹介していきます。
ぜひ最後までお付き合いいただけると幸いです。
ライダースのディテールに関する豆知識
まずは“ライダースジャケットのディテール”に関する豆知識からご紹介していきましょう。
ダブルライダースのジップはなぜ斜め?
1つ目の豆知識は、「ダブルライダースのジッパーは“なぜ斜めに入っているのか?”」です。
皆さんダブルライダースを思い浮かべてください。
特にクラシックなダブルライダースのジッパーラインって、みぞおち付近から肩にかけて斜めに走っていますよね。
これはなぜかご存知でしょうか?
理由は至って単純。
これは「快適にバイクを乗車するために改良された仕様」なのです。
まぁこれは当然っちゃ当然の理由なんですけどね。
具体的には、バイクに乗る時の姿勢に関係しています。
バイクに乗る時って体を前に傾けますよね。
当時から、本体の革はある程度柔らかく鞣されていたそうです。
一方でジッパーがある金具部分は、どうしても柔らかくすることができません。
そんな硬いジッパー金具が体の中心に配置されていると、胸が押さえられて痛くなってしまう。
そこで、ジッパーを斜めに配置することで体に負荷がかかりにくくなり、より快適にバイクを運転できるのでは?と考案された仕様だったのです。
きっと現代のパーツや技術では改善できるとは思います。
ただそういった過去の背景から誕生したディテールを、今でも受け継いでいるというわけです。
エポーレットの意味
2つ目は「“エポーレット”に関する知識」をご紹介。
エポーレットとは、アメジャンやフライトジャケットなどに見られるディテールです。
肩部分に付いているコレですね。
日本語だと肩章、肩飾りなどと言います。
余談ですが、
英語表記だと[Epaulettes]となるため、媒体によっては「エポーレット」もしくは「エポレット」と読まれています。
ちなみに“小さい肩”という意味だそうです。
「エポーレットってなんの意味があるんだろう?」と考えたことがある方も多いのではないでしょうか。
エポーレットの起源ですが、元々は陸海軍将校の制服のデザインとして登場したのが始まりとされています。
その用途としては、肩から銃や双眼鏡を下げるための留め具として用いられたそう。
また戦時中に負傷者を救助する際、エポーレットを掴んで引っ張り上げるという用途としても使われていたんだとか。
だからミリタリージャケットにもよく見られる仕様なんですね。
ただ現代のファッションアイテムにおいては、装飾の意味合いで付けられていることがほとんどなんですけどね。
Dポケットはフライトジャケット由来?
アメジャンのディテール繋がりでもう1つ。
「“Dポケット”についての豆知識」です。
こちらもアメジャンならではのディテール。
Dポケットとはその名の通り、左身頃部分に配置されたアルファベットの「D」のような形状をしたポケットを指します。
1930〜50年代頃のライダースジャケット(特にアメジャン)に見られる仕様で、ライダー達が地図を入れるために使用していたことから“マップポケット”とも呼ばれています。
マップポケットって言われるくらいなので、ライダースジャケット独自の仕様と思っている方も多いのではないでしょうか。
しかし!
実はDポケットの起源は、フライトジャケットにあると言われています。
1930年頃に普及したパイロット用のジャケット、“アヴィエイタージャケット”というフライトジャケットで初めてDポケットが採用されました。
(アヴィエイタージャケット)
パイロットが狭い操縦席に座った状態でも、ポケットから出し入れしやすいという点から誕生したDポケット。
その後、同じくバイクに跨った状態でも使いやすいポケットとして、ライダースジャケットにも採用されたというわけです。
革に関する豆知識
続いては、“革(レザー)”に関する豆知識を2つご紹介します。
イタリアがレザー産地としてで有名な理由
革に関する豆知識1つ目は、
「イタリアがレザー産地としてで有名な理由」についてです。
一般的に“レザー=イタリア”っていうイメージが強いと思います。
「革の本場」とも言われているくらいですからね。
イタリアにはトスカーナ地方を中心に、世界有数のタンナー(革を鞣す工場)が集まっています。
もちろん、ホーウィン社(アメリカ)やデュプイ社(フランス)など、イタリア以外にも有名なタンナーはいくつか存在します。
ただ国全土で考えると、これだけ優秀なタンナーを構えている国はイタリア以外にはありません。
ではなぜイタリアの皮革産業が、ここまで盛んになったのか。
その起源をご存じでしょうか?
その理由は実は意外なところに…
「イタリアは世界屈指の軍事国家“古代ローマ帝国”だったから」です。
どういうことかというと…
紀元前753年に誕生したローマ帝国は、世界屈指の軍事帝国として多くの兵を抱えていました。
そしてこの時代、兵士の装備品(兜、鎧、靴など)に使用されていたのは“革”。
(鉄や銅の防具が普及したのは、もう少し後になってからだったみたいです。)
つまり、この当時“革=軍事用品”だったわけです。
そしてローマ帝国は軍隊を強化するため、国をあげて皮革産業を発展に力を入れたというわけです。
もともとトスカーナには農業従事者が多かったようで、軍事需要のため国の後押しもあって皮革産業に発展に繋がったんですって。
革の相場について
革に関する豆知識2つ目は、「革の相場」についてです。
皆さん革の相場感ってご存知でしょうか?
業界にお勤めの方や、一度でも革を購入したことがある人であれば何となくの相場感はご存知かもしれません。
僕も含めていち消費者からすると、「革素材の相場ってどんなものなんだろう?」と気になりませんか?
また、一般的な革と良い革ではどれくらい価格に差があるのか?
…これも気になりますよね。
まず革の単価を知る上で必要な単位があります。
それは“DS(デシ)”という単位。
ご存知の方も多いと思いますが、デシとは革の面積を表す単位で、10センチ×10センチの正方形が「1デシ」となります。
皮革業界ではこのデシという単位を使って、「デシ単価 ○○円」というのが共通指標となって取引が行われています。
ちなみに革ジャンを製作するには、目安としておおよそ320DSくらいの革が必要となるそうです。
では1デシあたりの相場はどのくらいなのでしょうか?
革問屋さんから仕入れた場合の単価ですが…
良くも悪くもない一般的な革であれば、1デシ50〜60円ほど。
そこそこ良い革となると、1デシ80円以上。
という相場だそうです。
1デシの単価で見れば数十円の違いですが、革ジャン一着にしてみると、最低でも原価で1万円以上。
原価で一万円っていうと結構大きいですよね。
ちなみにHERMESで使用されている革は、日本で買うと1デシ200円〜250円ほどなんですって。
これはあくまで革の問屋さんから購入する相場。
仲介業者(販売業社)が増えれば増えるほど、この単価も上がっていきます。
例えば僕たちがふらっと東急ハンズなどで購入しようとすると、さらに単価は上がることになります。
あとはもちろん為替相場でも大きく変動します。
ちなみにこの情報は、1年以上前にメーカーさんから聞いた内容です。
現状だとおそらく数十パーセント単価が上昇しているのではないでしょうか。
革ジャンブランドに関する豆知識
最後は、“革ジャンブランド”に関する豆知識を1つご紹介したいと思います。
世界最古の革ジャンブランドとは?
昨今、数多のレザーウェアブランドが存在します。
小規模でやっている方も含めると、とんでもない数ではないでしょうか。
そこで最後の豆知識は僕自身が気になった内容…
「今存在するブランドで、“世界最古のレザーウェアブランド”とは?」です。
国内外問わず数多あるレザーウェアブランドの中で、一番古いのはどのブランドになるのか。
…ちょっと気になりませんか?
すでに廃業してしまったブランドも含めてしまうとかなり難しいため、今回は以下の条件で絞ることにします。
・レザーウェアブランドである(革ジャンをメインにしているブランド)
・ある程度規模間のあるブランドである
これらの条件を踏まえた上で、
おそらく最古のレザーウェアブランドにあたるであろう候補ブランドは以下の3つ。
・Lewis Leathers (ルイスレザー)
・James Grose (ジェームスグロース)
まずはライダースジャケット発祥の地でもある、アメリカの老舗ブランドSchott。
Schottは、1913年ニューヨークでアーヴィン・ショットとジャック・ショットの兄弟によってスタートしたブランド。
当初はレインコートをつくる工場でしたが、徐々にレザーウェアメーカーとして業態を移行。
また1928年に世界で初めて、フロントジッパーを採用したライダースジャケットを生み出したメーカーとして功績を残しています。
続いては英国のイギリス発の老舗ブランドLewis Leathers。
Lewis Leathersは、1892年に創業されたモーターサイクルウェアブランド。
創業当初は、洋服仕立業および、紳士オートスポーツであるフライング&モータリングのための防護服の作製ストックを業としていたそうです。
モーターサイクルレース専門の衣服の製作に着手し始めたのは1926年頃からだそうです。
同じく英国の老舗ブランドJames Grose。
James Groseは、1876年にロンドンで創業したレザーウェアブランド。
しかし元々はモーターサイクリストのためのウェアやアクセサリーを扱う小売店として発展。
その中で展開していたオリジナルブランド「JAGROSE」が、現在のルーツとなっているようです。
その後、不況の煽りを受けて1970年代に閉鎖。
しかし2013年にレザーウェアブランドとして復活を果たし、現在に至ります。
つまり上記の情報を基に、業態関係なく創業ベースで考えるとJames Grose (ジェームスグロース)が最古のレザーウエアブランドということになります。
……が。
一度廃業しているという点。
そしてそもそも主に小売店だったっていう点。
この2つがなんかちょっと引っ掛かりますよね(笑)
これらのブランドはどれも創業当初はレザージャケットを作っていなかったという背景があるので、僕が調べた限りだと、明確に「このブランドが最古である」と断言しにくい立ち位置ではあります。
もし他に該当するブランドがあればぜひコメント欄で教えてください!
まとめ
ということで今週は、『革ジャンに関する豆知識』を6つご紹介しました。
すでにご存じだった内容もあったかと思いますが、意外と知らなかったといった内容も1つくらいはあったのではないでしょうか。
言いたいけど関心を持って聞いてくれる人はなかなか身近にいない…。
なんとも歯がゆい豆知識ですが(笑)
また今回ご紹介した内容ですが、諸説あるうちの1つとして知られている内容も多々あるかと思います。
もし誤った情報などあればご指摘いただけますと幸いです。
あとほかにも革ジャンに関する豆知識などあればぜひ教えてください!
よろしくお願いします!
それでは本日はこのあたりで。
最後までご覧いただきありがとうございます!
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